『君の手』/あおい満月
君の歪んだ妄想をぶち破りたくて
ことばを固めて
ぶつけても
時間の壁は揺るがない
君が紡ぐあいのうたは
100年前のアリアで
わたしは踊れない
きっと君は知らない
幸福のなかの絶望など鏡の世界で
破滅しようとしても
結局、錠剤に眠る
人間は、壊れることができないんだ
生きている限り
空廻りな抵抗は止めて
今、その手のひらにあるものを
誇ればいい
血とすればいい
そして肉になればいい
君が、その手で得たものを
君の太陽に変えればいい
空が夜に変わるまえに
2009.8.12(Wed)
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