病い/百瀬朝子
人の気持ちを量ろうとした
わたしは許されてはならない存在
持病か仮病かわからない
肉体か精神かわからない
弱気になったわたしはきみにコールする
待ち合わせの三十分前
「やっぱり今日は行けません」それでも
わたしの前でがっかりしないでほしいの
わたしの前で嘆いたりしないでほしいの
身勝手なわたしの望むやさしさが
きみの中で泳いでいるのなら
どうかそのやさしさで
わたしを突き放して
わたしの病いはとけてゆく
ほんの少し人より臆病だった
閉塞した空間にいられない
窓のない小部屋がわたしを閉じ込める
むしむしする夏の夜
不安が
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