小川の小径/あおば
髪の毛が黒いからって
卑屈になることはないわよ
金色の美しい髪をなびかせて
女神がささやく
ふらふらと付いて行こうとしたら
いつのまにか小川の向こうの小径を
すたすたと歩いている
ぼくたちみんなも飛び越えようとして、我がちに突進するけど、勢い足らずに、次々に落っこちる
溺れて藻掻きながら流れて行って
誰も居なくなった明るく晴れた
小川の小径の午後の風景
今日も髪の毛が黒いからって
卑屈になることはないのよと
優しい声で耳元で囁くから
溺れるものは後を絶たない
金色の美しい髪をした女神が振り向くたびに
自殺者が激増して
小川が溢れ
海の底を深くするから
あの憎い小川の女神を殺せと
命令する声は聞こえない
女神に抱かれ
死んで行くのを夢見て
一日中を過ごす
誰も居ない明るく晴れた
小川の小径の午後の風景
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