ノリピー・ノリピー 誰が豚かを決めるのは俺だ(4)/花形新次
 
目の前にいる。
ケント・ギルバートに似た狡猾そうな微笑みを口元に湛えて、今ここに。

 「相変わらず、笑った顔の方がより不気味だな。」
ギルバートさんはノリちゃんに向かって、そう言いました。
「何故、今まで黙っていたの。」
ノリちゃんはハラハラと流れ落ちる涙を、指で拭いながら聞きました。
「何故って、言う必要がなかったからね。」ギルバートさんは当然でしょうといった表
情で言いました。
「ずっと、あなたを探していたのよ。」
「復讐のためにか。」そういうとギルバートさんはフフッと笑いました。
ノリちゃんは言葉に詰まりました。確かに丘の上の悪魔君に対しての復讐心は絶えるこ
とがあ
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