ノリピー・ノリピー 誰が豚かを決めるのは俺だ(4)/花形新次
煙に咽ながら、ノリちゃんは言い返しました。
「そんなことはないわ。彼は私のことを今でも愛してくれているのよ。」
ギルバートさんは煙草を地面に投げ捨て、靴でもみ消すと、ノリちゃんに顔を近づけま
した。もう笑ってはいませんでした。
「よく、そんなことが言えたもんだな。お前が奴をどんな目に合わせたのかは、お前自
身が一番よく知っているはずだ。」
「私が彼に何をしたっていうのよ。」
「しらばっくれんじゃねえ!」ギルバートさんはドスのきいた声で、怒鳴りました。
「お前に袖にされたせいで、あいつの人生はメチャクチャになっちまった。」
ギルバートさんの頭の中では、ノリちゃんに振られてからの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)