『風は』/あおい満月
風はどこからくるのか
行方もわからなければ
くる場所さえわからない
それはわたしが
生まれた理由と同じ
自分には風がないと
あなたは云う
わたしにはみえる
あなたの風
憂鬱という
安穏という
すべての時間が
わたしたちふたりを巡る
風は互いに見えて
互いに掴めない
鏡のようなもの
だからわたしは
書きとる
書くことこそ
風を掴むこと
そのすべてが
歩むこと
生きることであるように
願う
あなたにも
ごらん、壁を脱ぎ捨てたなら
こんなにも空が広かったよ
風のささやきが
聴こえる
2009.7.24(Fri)
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