トンカチ君の甚だ壮絶なる青春/ふくだわらまんじゅうろう
しいのだけれど
世界は意外と広く
さらにはトンカチ君の運は悪く
ヤクザさんの乗ったジャガーに、ブロック投げつけてしまった
ヤクザさんは怒って
素人さんに手を出す勢い
トンカチ君はもっと憤って
玄人さんの喉首、掻き切った
トンカチ君の鍛えた、美事な
それは日本刀なのだった
そのままトンカチ君は、その刀とともに
勢いに乗って
ヤクザ様の事務所に突撃かました
滅多矢鱈に、切り込んで
もうあとは、本部しか残ってない
ええい、面倒くさい、もう時限爆弾を腰に巻き
トンカチ君は、平成の
人間魚雷として
散った
トンカチ君の彼女というのは
そんなにかわいいかったのか
トンカチ君はそんなに彼女を
愛して愛して、愛しまくったのか
そんなことはまったく、問題ではなく
トンカチ君のトンカチにおいて
徹底的に、その
ジャガーってものと
それを許した自分自身が
許せなかったのだそうだ
戻る 編 削 Point(0)