1Q68/ふくだわらまんじゅうろう
 
ったことを
後に
人類は
知る由もなかったのであるけれど

ひとつの流星が砂漠の真ん中に落ちるときに
どんな音がするのかを
ほんとうの意味で知っている者はいない
しかもそれが
この宇宙の運行において
あまりにも長大で、且つ取るに足らない
意義を有する流星であり
のみならずこの惑星においては文化的にも無意識的にも
その名をまったく知られておらず
その存在すら知られることのない
孤独で
意固地で
ちょっぴりエッチな
それ特有の尻尾を持った
そんな流星であった場合には
日に照る月も

風を切る
砂漠という名の海原に
その命
また
光るというのか

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