隔離病棟/1/遊佐
 


愛だ、自由だ、平和だと叫び続ける君の
其の歪んだ笑顔が堪らなく不気味だと感じ始めたのは
僕が病院へ通い始めた頃のことでした。
ミサイルをロケットだと主張して止まない北の国では、腹いっぱいになっても満足出来ない生神様が蹴飛ばしたトウモロコシさえも高嶺の花で
テレビカメラの外側には泣く事さえ忘れた子供達が、蟻のように地面を探っているらしい。
君が見たら何て言うのだろうか、なんて事を考えながら、僕は効きもしない高価な新薬を飲み、空調の整った居心地の良い部屋で掌の上の世界と戦う。
窓の外には桜の花が舞い、澄み切って彼方まで透けた空と、くるくると渦を巻き舞い上がる風のなす春と言う舞台の上で今日が厳かに過
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