乾いた声/あおば
 


                 090717




時効制度の廃止をめぐるさまざまな思考と思惑
死刑の対象となるような
強盗殺人には時効を無くす案も在るようだ
15年が25年になり
人の記憶の限界を伸ばす

25年が35年となり50年となる

35年ではない33年だと
法事嫌いの亡父が悔やむが
50年を済ましたから
安らかにお休みなさいと
祖父に告げて
墓石に水を掛けた

妄りに延長しても
記憶が伴わない
新たな記憶が創成され
新たな憎しみと確執
それが人類発展の源動力なのだと
意義を見いだすことも出来るが
過去の憎しみを煽り立てて
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