木々の歓声 /
服部 剛
まっしろなノートを机に広げ
補欠の野球少年の絵を描いたら
スタンドの灯がスポットライトになって
ノートを照らし出していた
遺影の中に納まる祖母は
微笑ましげにこちらをみつめ
窓の外から
庭の木々の葉群は
一斉にざわめき
歓声を上げた
戻る
編
削
Point
(1)