ブルーノートにて/チャオ
べてを暴力的に払拭しようとし、かつ、ありのままのすべてをたたえているようだった。
音楽は偉大だ。僕には何も許されなかったあの空間で、僕は、僕の将来を夢見、そして、何かを描いた。
演奏が終わると、僕らは青山の町へ出た。やっぱり大人の世界だ。僕らは、渋谷まで、飲み屋を探しに歩いた。
何から何まで、完璧に負けた瞬間だった。
僕らは、飲み屋に行き、ビール二杯と、シャンディーガフを一杯注文した。
三人の飲み物がそろうと僕らは乾杯した。
心のそこで僕は、誰に言えることもない敗北感にひっそりと乾杯した。そして、悔しいことに「完敗」とかかっていることに気がついて、苦笑した。
最後まで、僕は負け通しだったらしい。
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