一秒前/月/そして現在/夏嶋 真子
 
「出かけないか。」
「どこへ?」
「過去へ。」
「タイムマシンでも発明したの?」
「まあね。真っ暗な夜があればいいんだ。」

神様は天球に宝石箱をひっくり返し、銀の砂をまいた。
六等星の星降る夜、僕らは地上にいながらにして
宇宙と闇で繋がれている。

伝達するもの、光。



過去/隣人銀河/ヒト

僕らの最初の旅は、ぺガサスの四辺形をたどって、アンドロメダ座へ。
美姫のなめらかな腹の上にかかる霞。
230万光年の彼方にある僕らの隣人銀河。

「今、僕らに届いているのは230万年前の光。」
「タイムトラベルって、そういう意味だったのね。」

圧倒
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