透過させてゆくのです/
ゆびのおと
と、その人は言った。
なんとも不思議に穏やかな笑顔で、
世界の涯へでも
身軽にリュック一つで出かけられそうなほど
軽やかな足取りで。
すべてはよりしろになる
悪しきものも
良いものも
すべて引きつけ放さないとしたら・・?
透過させ
流れてゆく水流のながれだけを感じて
なにもまとわないで
はだしで
つちをふんで
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