東京少年 「新宿」/虹村 凌
 
ンションの二階に位置する小さめの3DKのその部屋に同居していた。
 リビングから襖一枚で隔てられた俺の部屋で、黒いジーンズに足を通し、背中にだけプリントが入った黒いTシャツを頭から被って着ると、リビングに戻った。祖母は、終わりに近づいたラジオ体操に呼吸を乱しながら、朝飯はいるのか、と聞いてきた。
「いや、もう家出るからいらない」
 俺はそういって、食卓の上に転がっているセブンスターを掴むと、緑色の100円ライターで火をつけた。アトピー患者が煙草を吸うとは何事か、と言われる事があるが、俺としては精神的ストレスを解放する事を第一に考え、煙草を止めない事を決めたのだ。
 しばらくテレビ画面
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