食欲/
凪目
あなたの肉のうぶごえが
今 平たい皿にひたされた
あふれるばかりの若々しさと
宙を蹴る足
あまりに赤く
あまりに小さいので
僕は目をそらした
かいこの眠りは深い
透明の糸が指先をつたい
回転し ほどけ 消える
僕は皿を食べる
汗を垂れ落とし
あなたを咀嚼をする
いつかのかさぶたが
空高くのぼり
発光する夜
僕は三日月になる
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