望遠ノ瞳 /服部 剛
 
 この世の者ならぬ 
 あの(瞳)が 
 私の心の暗闇を 
 覗き込む時 

 空に薄っすら浮かぶ 
 あの(瞳)を 
 私もじっと 
 視るだろう 

 目の前に立つ 
 あなたの内側から 
 あの(瞳)が 
 望遠レンズの姿になって
 私の窓を、覗いている  

 私の内側から 
 あの(瞳)が 
 望遠レンズの姿になって 
 あなたの窓を、覗いている 

 そうして互いをみつめる時に 
 遥かな国から呼びかける 
 光の中から囁く
 あの声に 
 私達の鼓膜の奥は 
 微かに震える 


{引用=あなたは私の鏡であり 
私はあなたの
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