『刻を游ぐ』/あおい満月
 
透明な
軽薄と後悔の隅に
揺れ濡れるわたし
一秒先の未来にさえ
眠れぬ夜を過ごす

指先が
 
    痛い


ひび割れた仮面が
散らばる部屋で
やさしさも
どこにもない

もうこれ以上、
踊れない

あなたからの
硝子の靴は風にとけて

信ずるこころなど
持たなければ良かった

だけど
信じずにはいられない
誰よりもわたしを

明日は
わたしに会うために
扉をひらく

永遠に続く
白い扉

その先には

みえない時間



                      2009.7.3(Fri)


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