宮沢賢治からのメッセージ 〜言葉というたべものに就いて〜 /服部 剛
 
覚で受け取りながら、詩や童話になってゆくことを、言葉にならぬ感動をもって、私達に今も語りかけています。 
 
 「注文の多い料理店」は、賢治の生前に唯一刊行された童話集です。その序文ですでに、賢治は自分が詩や童話を書く上で、一番大切なことを、時を越えた読者への遺言のように語っていることが、賢治の言葉から伝わって来るのです。この手紙の最後に、宮沢賢治からあなたへのメッセージを届けたいと思います。 


   わたくしは、
   これらのちいさなものがたりの幾きれかが、 
   おしまい、貴方のすきとおった
   ほんとうのたべものになることを、
   どんなにねがうかわか
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