宮沢賢治からのメッセージ 〜言葉というたべものに就いて〜 /服部 剛
 
 6月の「ぽえとりー劇場」のオープニングでは、Ben’sCafeに集まる人にとって言葉の味わいの深まるような有意義な詩の夜となるよう願いをこめて、宮沢賢治の「注文の多い料理店」の序文を朗読しました。 

 読んだ人は皆感じることかもしれませんが、宮沢賢治の文はとても詩情があり、詩を読んでいるのと同じ感覚で朗読しました。そしてこの序文は、宮沢賢治が詩というものにこめた一番大事な想いが語られている文なので、Ben’sに集う詩の仲間とぜひ共有したい内容なのです。 

 岩手のイーハトーヴという桃源郷に立つ賢治は、野に吹き渡る風を食べ、桃色のうつくしい朝の日光を飲み、いのちの歓びを自らの内に充
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