旅の始まり 祭のあと/ゆるこ
 
視界を折られた朝
芽吹いたはずの白い素肌や
飽和したような
そうでもないような
呼吸 鼓動は
やはらかいしろに
還ってゆく

ぎこちない脈に
わたしはただただ泣いたような
そうでもないような顔をして
見送りのてを ゆっくりさげた

あしたが遠ざかっていく
汽笛の音が素晴らしく響いている
きっとすべて夢だったのだ
きっとすべて嘘だったのだ

あの木目の香りや
はじめて出会う生き物の音や


すべて 知ったような顔をして
わたしをとおりすぎて
残り香が鼻筋を撫でて
やっぱりわたしは
泣いてしまうかも、知れません
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