かみさま/はちはちよん
 
コンタクトがかわいて
何度もまばたきする冬
きみの歩いてるところが
いちばん好きなのだ

ひとを好きになるって
誰かの強烈な信者に
なるっていうこと

ふいに抱きしめられた
湿ったなまぬるい夏
やかましい蝉のじいじいも
ふたりのべたべたも
いとしいと思った

かみさまが
あたしだけのものになった
かみさまが
ひみつのほくろ、みた

知ってることの何十倍
知らないことの方が多い
ことばなんて最も
弱くはかなくて
いい加減であいまいな
ものだけれど

ことばにすがってる
あたしたちは思想の
ほんのきれはしを
精一杯ことばにすがって
表そうとする
すこしも充分では
ないけどね

真実はどれほど
巨大で複雑でうつくしいか
それは到底
表現しきれないし
測りきれない
かみさまだって
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