その匂い/アサギ
もう、覚えた。
昔の自分の写真、表情が無い。固まって冷えた目をしてる。
布団だけはある部屋でこんこん眠ると色んな音や声が聞こえてくる。いつだって夢の中にいるみたい。それが当たり前になってる。
余計な知識なんかいらない。知りたい事は自分で探す。
思って苦しくて足がすくんで動けない眠れない。もう、ばかばかばか。
重低音なんとかしてよ。そんな狭い部屋にウーハー置かなくても。。。
どんどん自分が知らない人になっていく。
今日も白とピンクの薔薇と琥珀の液体が綺麗で涙が出そう。ソフトな左目ハードな右目。ほら星だってよく見える。
そしてもう二度と逢えなくても、自分が自分じゃなくなくなっても君の事忘れない。
暗い部屋のスタンドの光が目に眩しいから涙が出るのかわからない。早く電気直してよ。わたしの電気。光。どこにあるの。何も見えなくなるまた。
何しに来たわけ? 監視? あたしは、何も覚えてない! お前の事なんか何も! 近づかないでよ!
戻る 編 削 Point(1)