「名」馬列伝(1) ライバコウハク/角田寿星
 
シノンシンボリが先頭に立つ。
中山大障害の栄光のゴールを、まばらに6頭の馬が駆け抜けていく。その時ギャラリーには歓声もなく、完走した馬たちの一頭一頭に、静かな拍手が送られたと聞く。まるでこの凄惨な事故から無事に生還したことを祈るかのように。

彼は、馬運車の到着を待つことなく、ターフで息絶えた。トウショウドリームは、どうしても起き上がらせることができずに、その場で安楽死。吊るされて馬運車に入れられた。
騎手(現在調教師)の大江原哲は後に語る。「命を賭けて守ってくれた馬を、ぼくは忘れることができない」と。

ライバコウハク 1979.5.30生 1987.12.26死亡
        平地15戦0勝 障害27戦9勝  
        主な勝鞍  中山大障害(春) 京都大障害2回

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