初恋。思い出と呼ぶにはあまりに拙い後悔/ふくだわらまんじゅうろう
の蔓で
ぼくの喉を絞め
その痛み
苦しみに
どうか、あの、幼き日の胸の疼痛を
この肉の命、尽きるその日まで
棺桶の
墓標の下の
地獄の
そして天国の
すべての旅が終わる彼の地の
安住の石に腰掛けるそのときまで
そのときまで
そのときまで
どうか、あの、幼き日の胸の疼痛を
甘く
苦しい
はるかな旅へ
約束の地などないのだけれど
それを知った今でも信じ
溺れることのできる思い出を
淡く
ささやかな
思い出を
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