コンクリート詰めの死体/あおば
090628
怖い光景が続く
乾涸らびた海の底からは
毎日二三個の死体が上がる
魚が居なくなったので
コンクリートに詰めて捨てるのが
常識となった
それからしばらくして
遺跡の畔で甕棺が出土され
珍しいと
研究者が集まって
新聞記者や
街の好事家
町興し名人や
暇なご隠居
真面目な小学生たちが
輪の外で
背伸びをして
中の様子を窺う
結局
バブルの時代の
偽造品と分かり
あっという間に人々は居なくなり
金儲けも
町興しにもならないと
苦情を言いたくなったが
容疑者が見つからない
悪いよ
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