『モノクローム』/あおい満月
 
解放された自由などいらない
解放されない
繋がれた
なにかがほしい

雨が
一粒であって
降れる場所を知らないように
水面にとける
ささやかな波紋でありたい

わたしに
あなたに
きこえる詩などなくていい

ただ、風にとけていたい

空はいつまでも空で
雨はいつまでも雨で
わたしを受け入れない

わたしはただ
空間を濡れながら彷徨う

影の隙間に
足跡がとけて
わたしはまたひとつ

わたしを残す



                       2009.6.28(Sat)

戻る   Point(6)