「完遂」/菊尾
 
その甲斐甲斐しさが慈しみへと繋がっている、その仕組み
フリダシなんて何処にも無くて、必要性と実感を得ていく
それの何が可笑しいと言うのだろう
左右されない佇まいは、只になれた証に思える
何があっても捉えてる視界の範囲は一定なんだ
まだもこれからも目の前を横切るだけのものだよって
君は笑う


もしも重たい雨がその身体を啄ばんだとしても
違和感なく、初めからそうだったみたいに
在るがままに振舞うのだろう
一線上に並ぶよう位置を確認し終えたら
その後は恐らく、見惚れ続けているのだろう


人との違いなんて知らないよ
何かを気にすれば、時間に長さが加わるだけさ
僕らが連ねた幾つかが礫ほどの大きさだったとしても
強度は保証されているから心配ないよ
なだらかな手つきで平たくする、そうやって統べて行く
いつだって、ここからさ


間違いない僕らの輪廻
見慣れた微笑みが、終わらないこだまを呼び込み始める

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