歓びの花 /
服部 剛
聖堂の扉を開いて
真中の道を進み
祭壇の前に跪き
両手を、合わせる
ふと見下ろした花瓶には
親しい家族の顔を並べる
色とりどりの紫陽花達
ステンドグラスから降りそそぐ
夕陽に染まりながら
無数の花弁を開く
紫陽花達の賛美歌
静けさに身を置いて
紫陽花にいのりを重ねる
夕暮れの刻
まことの歓びはすでに
私の胸の内に置かれた
透きとおった花瓶に生けられ
美しい花を開いていた
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