ReGreeeen!/ケンディ
 
助動詞の過去形(might)を多用する。

自信なさげにmightで仮説を積み上げていき、

そして大事なところでそっと断言する。

それなら大した検証や熟考のない仮説で

楽に自分の知見を示せるのだ。

サロンでの会話はそれで充分だと心得ているからだ。

彼は自虐的にこう思っている。

自分にとって主張とは、mightのfade outだと。

サロンにおける主張の良し悪しは、

mightのfade outの美しさにかかっている、と。

色男でもあるger-Heide-#Gは、この延長線上で、

奥方たちのドレスも美しくfade outさせることに

こだわるのだった。

「物質は色の延長である。そしてdressはmightの

延長である。物質の虚飾をはぎとる作業を

形而上学という」

彼は改めてAutobiographyの中で独自の

形而上学定義を述べるときのみ、

死の恐怖を忘れることができた。

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