「星受胎」(せいじゅたい)/
月乃助
切り削る弦月は
生温かい月明かり
星の角先が知らぬ間、円みを帯びている
願いを込めれば
河瀬に
天の河の流れは淀み
瀞(とろ)に溜まった星たちが
あふれて
私(ここ)に落ちてくる
ふるえる
天球の模様替え
それならばきっと拒まない、
夜空に脚を開き
いつの間にか分け入る星に
するりと
いよいよ、
私の子宮に
一つ
新星児が宿った
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