Strawberry honey/月乃助
 

幸せだったら
誰も詩など書きはしない
一文字でも
書いてしまえば後戻りのできない、
あなたは
詩人のはしくれ
行き場などない
銀河の小さな島宇宙に住まう囚われ人
詩人はだから、いつもそこで涙を流す
次の言の葉を千切り取り、一行を削り落とす
幸せをただ夢想しながら

暮らしの安寧に、万象の美しさに目を向けようと
空しさを見つけてしまう
されば
言葉という消え失せぬ形に、留める苦労を重ねる
ならば、
叫びたかったら、苦しみを
泣きたかったら、悲しみを、
辛さを、文字に変化(へんげ)させ、詩にうたえば良いだけ
誰の顔を気にすることもないはず

詩人は詩から逃げ出せない
詩を書いたその瞬間から、
あなたは、もうこの島の住人だから
他のどんな世でも生きてはいけない

私のいうことがわかったらなら

今すぐ、帰っておいでなさい


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