白い世界/あ。
 
忘れかけている遠い記憶のあの子

白いワンピースがお気に入りだった
生まれつき色素が薄かったようで
肌は陶器のようにつるりと白く
髪は太陽に透けるような茶色だった

大人は口をそろえて
本当に白の良く似合う子だこと
まるで天使みたいねと言う

だけど、知ってるんだ

あの子はね
蛙を踏みつけるのが大好きで
蜘蛛を握りつぶすのが大好きで

ワンピースを汚さないように注意しながら
こぼれそうな美しい笑顔で
長い髪はキラキラとまぶしくて
足元でつぶれた蛙のはみ出た内臓さえも
彼女の力で美しくなっているような気がした

テレビで見た天使の羽も天国も
去年出席
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