夏のような恋/青の詩人
また今年も置き去りにした
季節が戻ってくる
君を愛したレモンのような時間
色あせても すりきれても
捨てられなかった想いと
君をなくした雨傘の後で
気づいたらすぐ終わりがくる
夏のような恋をしたのに
目を閉じたら性懲りもなく
君が見える気がした
花火を打ち上げた場所で
羽毛のかたまりを見つけ
くぐもったまま
打ち明けられなかった
10代の記憶に重ねて
気づいたら舞い戻ってくる
風のような恋があったけど
「もう忘れたよ」
そんな言葉で君に背を向けた
また今年も知らぬ顔で
あの熱の余韻が訪れる
君だけを見ていた
何も見えてなかった夏
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