愛/ケンディ
 
が、
そこに母親はいませんでした。

温かいはずの布団は冷たかった。弾力を
期待していた布団のふくらみは、押し
つぶされて消えました。全てが非人間的でした。

期待していたぬくもり。期待していた肉の弾力。
その期待の崩壊は、当時のベッドの上
ならずとも、いずれ母の死とともに訪れるでしょう。
かつてのぬくもりが、白い灰になる時が
必ず来る。それは肉体だけの話では
ありません。全ての関係が白い灰になる時が
必ず来ます。

この真実を、愛と絶望が表裏一体
ということを、常に忘れぬこと。


愛の練習
きめ細かく、愛をダウンロードし、すぐに
削除する――これを絶え
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