逆光/ゆうと
りをみていた。
なぜって、あしには おもたいおもりがついていたからだ。
それは、いますぐにでも、あしくびがちぎれてしまいそうなほどだ。
けれど、ここへくることは、そうむずかしいことではなかった。
*
はじめてきたのは、よるだった。
なんにんか、ひとがいるのがわかる。
いろんなこえがする。
ひくいこえ、たかいこえ、おおきいこえ、ちいさなこえ。
もしかしたら、きこえないこえ。
なんどめかのよるをむかえたころ、
ぼくはようやく、ここにいるひとの かおがわかった。
なんにんいるのかも、わかった。
けれど、かぞえているうちに、
だれかはいなくなり、まただれ
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