逆光/ゆうと
よるがおわるまえに、きみといちどはなそう。
*
ここは、おいてけぼりのいばしょであって、
しかしながら、いつかはみんなでてゆくのだ。
ふしぎなことにね、なきがおがとくいだったやつでも、
いつかはわらって、てをふるのだ。
それはとてもまぶしい。
ここへくるとき、だれもがやみをせおっている。
ぼくがここへきたときには、あしもとしかみえなかった。
うしろはとてもあかるいから、ぼくのめのまえはまっくろで、
ゆれうごく、じぶんのかげばかりをみていた。
それはみんなおなじようで、ぼくのつぎにきたやつも、
ぼくのあとにきたやつはみんな、あしもとばかりを
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