高性能/山崎 風雅
 
 真上からの太陽には
 からから と かわいた愛想をうかべて
 通りすぎる季節に いつも 忘れ物
 どこかにそっと届いているんだろうけど
 高性能な人がうらやましい
 ぼくは 羽が伸びきらないので
 うまく飛べない 
 風呂のなかで宇宙のとなりのことを考えていると
 シャボンがきれいに光った
 気のせい
 気のせい
 
 目をまともにみてしゃべれない僕は
 わざと焦点をぼかしてじゃないと
 受付もすませられない
 よけいなものが多すぎる
 濾過する装置が壊れてるみたい
 みんな好きなことを言っているけど
 望みは何かを語ってくれたら
 性能の悪い僕でも機能することもあるだろうけど
 世直しなんて 興味ない
 そんなことを出来る高性能な人達の邪魔にならないようにはする
 性能の悪い僕が書く詩も
 やはり
 たいしたことないみたいだ
 気のせいじゃないみたい
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