深甚の音(しんじんのね)/月乃助
 
 悲しみの振鈴は、
 心の枝に下がったまま

 延々と深々
 鳴り止まず

 香華に
 神饌(しんせん)を求めても、ありかも分からない

 親疎の街で糧を得
 毎夜、飯を炊(かし)ぐ

 化育を願い
 迅雷を待ちわびる

 いつか、時効が
 その音を
 消し去ってくれるまで

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