六月の雨/新崎
 
六月に雨が降る きっと降るよ
君の言葉は正しくて六月には雨が
どしゃぶりの雨でもう君の声は聞こえない、聞こえない

雨のせいだね 朝起きても君がいない
雨はまだ降っていて部屋の中は湿っぽい
「    」ノイズの入った君の言葉は聞き取れない、聞き取れない
きっと雨のせいだね

いつも君は髪を 長い髪を手で梳いていた
君の髪を触ると君は頭を僕の胸に寄せる
なんだかとっても暖かった、暖かかったんだ

雨はね突然なの 仕方のないことなの
僕は部屋で一人、ハイライトを銜え君の言葉を思い出す
君が言うように突然降り出した雨、降り出してしまった雨
もう止められない


雨がすべてを流す
君の言葉 
「さよなら」
濁流 流されたのは……
ハイライトの煙が部屋を包む
そう、六月には雨が

僕は暗い部屋の中、窓の外から六月の雨を眺めている
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