『夜想』/あおい満月
 
眠らない
秒針の足音に
呼吸をして
風を待つ

目覚めていく
空の鼓動に
とけるひかり

あの光は
何処へ向かうのか

東へ、ただ東へ

屈辱に背中を押されても
あるべき場所で
きっと人は
輝いている

わたしは時々
こうして時を
数字で弾きながら
眠れない朝に
耳を澄ます

安定剤も
霧にのみこまれて
河の流れを
とめられない

目が覚めたら最後
二度と夜は訪れない

天使の梯子が

雨空に

降りそそぐ



                     2009.6.6(Sat)

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