「出帆」(しゅっぱん)/
月乃助
心の病(やまい)が
昨日を、今日の、明日へ
類(たぐ)う
糾(ただ)した思いは、見飽きた悲しみの拓本
丸い竹矢来の中に縮こまる
それでも、
哮る心が
知らぬ間
わずかばかりの隙間から
逃れ、新たな世への拓殖
天籟(てんらい)を求め
船には多士済々
悲しみを駆逐する詩人達
野太い声を掛け合いながら
波を切り、
海を、
空を、
天を越える
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