クロマニヨンプレイ/カンチェルスキス
ぐらいのおっちゃんのことも気にせず、しんちゃんと絡んだ。おれは安心した。勝手にやらしておけばいいからだ。アンナさんが「ねえ、しんちゃん、借金とかある?」とかアドリブで訊ねると、しんちゃんは切り捨てた、「うるせーよ」と。けれど、「アンナ、来週の週末、箱根のサイコーの宿がとれたぜ!」というもんだから、アンナさんは「私を地中に埋めて、いますぐ地中に埋めて、だってこんなの信じられない、サイコーの気分だわ、というのも、私は地底人の末裔だからよ!」と。おれは、ふんふんと言いながら、二人の絡みを撮りまくった。助手はいないんだ。全部自分で撮る。カメラっちゅうのは、百万分の一、あるいはもっと千万分の一の確率でしか鳴
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)