にんげんのおとことおんなが/ふくだわらまんじゅうろう
 
     にんげんのおとことおんなが



にんげんのおとことおんなが
セックスを愉しむ
それはあるとき
必要以上に意味を持たされた儀式であったり
あいさつ程度の交わりであったり
激しくも激しい激情の挙げ句たどり着いたふたりの出発点であったり
酔った勢いの事故であったり
断崖絶壁に追い詰められたふたりの結論の前奏曲であったり
コマーシャル社会の電波に煽動された子供たちを捕らえる罠であったり
この世のすべてを手に入れた特権階級の暇つぶし的病気であったり
この世のすべてを手に入れたと勘違いしている踊る非特権階級の悪あがきであったり
若かりしときを懐かしむ老夫婦のささ
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