愛の詩人・上手宰と「冊」の詩人からの伝言/服部 剛
と思
う。
「冊」の詩人の最後に、伊東唯さんが「メ
ランンコリア」という詩を読んでくれた。デュ
ーラーという版画家の、同タイトルの名作の
銅版画の前に伊東さんが立った時に作品から
(みつけてごらん)と語りかけられる「音の
無い声」に耳を澄まして聞き取るような詩の
世界であった。
頬杖をついた 立派な翼の天使
どっしりと座り
片方の手には製図コンパス
大きく目を開き 中空を睨んでいる
あなたが描こうとしているものは
何なのか
傍らには小さな天使
寝ている痩せたヤギ
天秤ばか
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