愛の詩人・上手宰と「冊」の詩人からの伝言/服部 剛
今から30年以上前に高田馬場で朗読会を
していた上手宰さんは僕が尊敬する詩人で、
4月の「ぽえとりー劇場」は世代を越えて詩
を共有する雰囲気になったのが、とても嬉し
いことだった。そして、長い間詩と共に人生
を歩んで来た人と若い僕等の「詩を愛する思
い」は世代を越えて同じものだと感じた。
一篇目に朗読したのは「忘れ物」という詩
で、電車の中に忘れられた骨壷・・・という
素朴なようで不思議な詩的空間が描かれた詩
だった。
だがその光景は私にやさしい
座席にちょこんと腰掛けた
骨箱が明るい日差しの中で
どこまでもどこまでも運ばれ
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