メルヘンの影 変身 梟の首/青の詩人
 

顔を出した魚が
フィクションか否かなんて
もはや誰にもわからない

幾夜が経っただろうか

嘘が真実と呼ばれ
恋がメルヘンやロマンスの
イメージを帯びるようになってから

月が空を走り
梟が首をかしげるようになってから

何も飲み込めはしまい
飲み込むふりをするだけで
魚に美しい名を与えるだけで
詩人とか
魔法使いとか呼ばれた


そんな御伽噺の続きを
聴かせて
ねぇ
とせがむ女の
正体を僕は知っている


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