知らないままで/青の詩人
知らないうちに
ノックされていた
ぼくが
まだ
そう 空を見ていた頃の
思い出が甦るのは
夜明けに
似ている気がする
静かで 重くて
泣いてしまいそうになる
だから
ひとりを選んだんだ
このまま
背中で感じていたかった
目を合わせたら
また何も見えなくなるから
知らないままで
いられたなら
波の音が聞える
ずっと
もっとずっと
おくのほうで
そう
きみにふれた
そのあたりで
手紙を瓶につめたのは
誰にも届けたくないから
届かないことと
存在しないことは
たしかに違うはずだから
朝と夜は
別の名で呼ばれた頃から
互いを知らない
知らないままで
ノックされてしまった
そう
知らないままで
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