誰が豚かを決めるのは俺だ/花形新次
わせたのか!」
「いいからいいから。そう興奮しないで、このアドレスにさ、
メールをちょこちょこっと打ってチョーダイ。」
彼はごそごそと自分のポケットをあさり、アドレスを書いた紙切れを出そうとした。
ぶち切れた男は「この野郎!」と叫んで振り向き、PCの光に照らされた彼の顔を見た。
しかし、彼の顔を見たとたん、また声を失った。
「えっ、ボギー?」
彼は、髪を後ろに撫で付け、白いダブルのスーツに蝶ネクタイを締め、
さながらカサブランカのハンフリー・ボガードのようだった。
下半身はステテコいっちょうだったけれど。
「ノーボギー!アイムミョギー!」顔を見られた彼は、わざ
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