誰が豚かを決めるのは俺だ/花形新次
で震えそうになる声を必死に抑えて男は聞いた。
「何者であって欲しい?」
「こんなことをして許されると思ってるの
か?」
「こんなことって?」
「俺にこんなことをして。」
「まだ何もしていない。」
「金なんかないぞ。」
「金か…。金が欲しかったら初めからオマエの家などには来ない。
俺はそんなに馬鹿じゃない。」
そう言って彼はまたフフッと小さく笑った。
PCが立ち上がると画面の明かりで振り向けば彼の顔を見ることができた。
しかし彼は機先を制するように絶対に振り向くな、PCの画面だけを見ていろと言った。振り向いたら最後オマエの首はこのフローリングの床に
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